裁判報告
第70回口頭弁論
今回は、原告番号237番、2120番、2377番について原告本人尋問を実施しました。この原告の方々は、いずれも提訴の20年以上前に一度目の肝炎を発症し、その後、HBe抗原が陰性化して肝炎が沈静化、しばらくその状態が続いた後、HBe抗原は陰性であるにもかかわらず、再度肝炎が再発した事案です。こうした事案について、国は最初の肝炎発症時から20年以上経過している以上、除斥により請求は棄却されると主張して争っています。新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、法廷内で傍聴できる方を制限させていただくことになりましたが、裁判期日の後、久しぶりに報告集会も開くことができました。
国の主張に対して原告側の主張書面も提出しており、本件については、次回1月22日に結審し、追って判決が出される予定です。
その後、和解手続きが行われ、合計62名の原告の和解が成立しました。
第69回口頭弁論
今回も、新型コロナウイルス感染拡大防止の点から、人が法廷に集まるのを防ぐため、公開で行われる弁論期日は取り消されましたが、弁論準備手続では慢性肝炎除斥事案(セロコンバージョン後の再燃事案)につき、原告側の主張を明らかにするため、弁護団からパワーポイントを使用してプレゼンテーションをいたしました。
その後、弁護士のみが参加する和解手続が行われ、合計40名の原告の和解が成立しました。
第68回口頭弁論
今回も、新型コロナウイルス感染拡大防止の点から、人が法廷に集まるのを防ぐため、公開で行われる弁論期日は取り消されましたが、原告団・弁護団からは弁護士のみが参加する和解手続が行われ、合計37名の原告の和解が成立しました。
第67回口頭弁論
今回も、新型コロナウイルス感染拡大防止の点から、人が法廷に集まるのを防ぐため、公開で行われる弁論期日は取り消されましたが、原告団・弁護団からは弁護士のみが参加する和解手続が行われ、合計25名の原告の和解が成立しました。
第66回口頭弁論
新型コロナウイルス感染拡大防止の点から、人が法廷に集まるのを防ぐため、公開で行われる弁論期日は取り消されましたが、弁護士のみが参加する和解期日と進行協議期日は開かれ、57名の原告の和解が成立しました。
進行協議期日では、弁護士から、裁判所と国(行政)に対して、「原告さんは国の施策によりウイルスに感染させられて命や健康を失いました。その被害の大きさ、国の責任の重大さについて、今あらためて考え、多くの被害者が早期に救済されるために、それぞれ立場でできることを進めていってください」と意見を述べました。
第65回口頭弁論
今回の裁判期日ではお二人の遺族原告の方に意見陳述をしていただきました。
ご主人を肝がんで亡くされた遺族原告の方は、退職後に孫と遊ぶことを楽しみにしていたご主人の命をがんが奪ったこと、治療中一切弱音を言わなかったご主人が亡くなる直前にB型肝炎ウイルスに集団感染させられたことを悔しく思っていると言ったことなど陳述されました。この方は、ご主人のお気持ちを受け継いで訴訟提起され、患者さんやそのご家族は皆それぞれに辛い思いをしていることから、適切な救済が確実に取られることを希望されていました。
続いて意見陳述をしていただいた方は、お母さまをB型肝炎で亡くされ、ご自身もB型肝炎に感染していらっしゃる原告の方でした。お母さまが入院していた病院で別の患者さんとは異なる食器を使用させられたことなどをお話になりました。お母さまはガン告知から3週間で亡くなってしまったことを受け、自分もB型肝炎ウイルスに突然に命が奪われてしまうのではないかと恐怖を感じたこともお話になりました。さらには、ご兄弟も肝がんを発症され、より一層、がんの恐怖におびえながら毎日を過ごされていることもお話になりました。より多くの人にB型肝炎に関する正確な知識を理解してもらい、患者さんが少しでも暮らしやすい社会の実現につながればいいという思いで今回の意見陳述を引き受けていただいたとのことでした。
その後、弁護団から意見陳述をしました。国による和解手続が遅れている事例のうちから、和解手続に支障がないケースを類型化し、これらに該当する原告については、速やかに和解に応じるよう国に対応を求めました。
裁判の終了後は、淀屋橋駅付近のAP大阪淀屋橋に会場を移して、裁判期日の報告集会が開かれました。報告集会では意見陳述をしていただいた原告の方に感想をいただいたほか、前回の裁判期日以降の原告団、弁護団の活動内容の報告などを行いました。その後、5名程度のグループに分かれて交流会を行いました。その後場所を移動して懇親会も実施され大いに盛り上がりました。