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和解成立件数2024年3月6日現在

提訴/和解数の差について

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これまでの歩み

裁判報告

第11回口頭弁論

国からは、原告の平成22年8月25日付け準備書面に対する反論が提出されました。

原告からは、原告83番が意見陳述されました。原告83番は、若くして独立し、子供に会社を継がせたいと右肩上がりに事業を拡大させていった矢先の肝炎発症、治療による家計への大きな負担、それにも拘わらず肝癌を発症、手術を受けるものの余命を宣告され、治療のために仕事を引退せざるを得ず肝癌の再発に怯えながら検査を受ける日々を送っていらっしゃることを法廷で切々と訴えられました。

弁護団からは、札幌地裁の10月12日の和解協議で国が初めて示した「和解金額に関する国の考え方」(肝癌、死亡、肝硬変(重度)の被害者に対し2500万円、肝硬変(軽度)に対して1000万円、慢性肝炎に対して500万円、キャリアに対しては賠償しない)について、B型肝炎患者感染者の命・被害を不当に低く評価するもので到底納得されるものではない等として、撤回を求めました。

第10回口頭弁論

弁護団は、昨年12月に提出した準備書面3分冊のうち、第3分冊において不法行為時から20年で権利が消滅すると規定する民法724条後段について制限的な解釈が認められる等の主張を展開していましたが、これに対して国から反論の準備書面が提出されました。

原告からは、原告70番が、意見陳述をされました。家族・友人からの偏見・差別に曝された日々や療養を要するにも拘わらず差別偏見を受けるのではないかという恐怖から職場に申し出ることができないといった心情を訴えられました。B型肝炎患者が差別・偏見のためにいかに精神的に追い詰められているのかが伝わってきました。

弁護団からは、原告団の再三の要請にも拘わらず国が和解の全体像を明らかにする目処すら明確にしないなど、国の対応は誠実に和解協議に取り組む姿勢とは到底評価できないと強く非難し、次回10月29日までに国が和解案の全体像を示さず、示す時期も明らかにできないなどという対応を続けるのであれば、当裁判所においても並行して判決に向けた証拠調べ手続きを進めたいと詰め寄りました。

第9回口頭弁論

国からは、弁護団が去年の12月に出した準備書面3分冊のうち、第2分冊に対する反論の準備書面が提出されました。

原告からは、去年12月に56歳で亡くなられた原告47番の遺族が、意見陳述をされました。肝ガンでの宣告を受けてからも前向きに闘病生活を送られてきたこと、夫としても父親としてもいろいろな配慮をしておられたこと、が述べられました。この病さえなければ、という無念の思いがひしひし伝わってきました。

弁護団からは、瓦井弁護士と西田弁護士が、平成18年の最高裁判決の認定基準がどういうものであるか、そしてそれが現在も生きていることをスクリーンを利用して説明しました。

第8回口頭弁論

国からは、弁護団が去年の12月に出した準備書面3分冊のうち、第1分冊に対する反論の準備書面が提出されました。

原告からは65番と66番久永さんの2人が意見陳述をされました。65番の方は、肝ガンを切除され、再発におびえながら薬を服用する精神的・経済的な負担を訴えられました。66番の方は、食道静脈瘤破裂という危機に瀕した苦痛、母上から生体肝移植を受けてようやく命をとりとめはしたものの普通の生活は奪われてしまったこと、それらを招いたウィルス感染への憤りが述べられました。

弁護団からは、この期日のつい数日前に原告40番が亡くなられたことを受けて、大阪の原告のうち提訴後すでに2人が亡くなられていること、国はやみくもに争いをせず早期解決に協力してほしいこと、を長野弁護士が熱く訴えました。

裁判所は、3月に札幌で和解勧告が出されているという背景もふまえ、本事案については和解による解決が望ましいという一般的ながら積極的な意見を披露しました。

第7回口頭弁論

私たちの訴訟は、大きな事件なので裁判官が3人で担当をしています。(一般的には、裁判官が1人だけで担当する事件も多いのです。)この日は、これまで裁判長(3人のうち真ん中に座っている人)だった裁判官が、違う裁判官に代わっていました。前の裁判長は転勤されたみたいです。
その新しい裁判長のもと、2月5日は、これまでの口頭弁論のなかで最長の1時間20分もの裁判になりました。10時に始まって、終わったのは11時20分でした。傍聴のみなさまもご苦労様でした。

まずは、12月に追加提訴した原告に関する訴状とそれに対する国の答弁書が正式に裁判手続きにのせられました。そして、12月に提訴された原告お二人の陳述が始まりました。
お一人目は、予防接種でB型肝炎に感染した母親から弟さんとともに母子感染した原告です。子どもに感染させてしまった母の精神的なつらさと病気による肉体の苦しみを見守る娘としてのやるせなさ、自分自身の病気による苦痛、子どもを産むことを第一に考えて副作用のある治療薬を拒否したこと、産まれた子に感染させることは防げたけれども病気で身体が動かず、母親らしいことを十分にやってあげられないもどかしさと申し訳なさ、弟さんの病気への恐怖心と苦しみなど、B型肝炎が嵐のように家庭を翻弄している状況が重く法廷に響きました。
お二人目は、一旦慢性肝炎に苦しめられたものの、治療が効を奏してセロコンバージョンし、医者には再発はないだろうと言われていたのに、B型肝炎ウィルスの力は強く、結局再発し、再び苦しい生活を余儀なくされた原告のお話でした。せめて下のお子さんが成人するまでは生きていたい、と切実に訴えられました。

次に、弁護団の出番です。弁護団は、全国10地方裁判所で行われているB型肝炎訴訟すべてに共通する内容のものとして全国の弁護士が集まって作成した「統一準備書面」をこの日正式に提出しました。
「統一準備書面」には、あらゆる論点が、書き込まれています。が、これまでの法廷ですでに、原告が何を立証しなくてはならず、また、何を立証すれば十分か、ということ、父子感染の可能性は訴訟上考慮しなくていいこと、ジェノタイプAについての検査は不要であること、除斥期間は問題にするべきではないこと、などについては口頭説明をしてきました。そこで、今回は、統一準備書面のうち、原告の方々の損害がどのようなものか、治療によって症状が落ち着いていても過去の最悪の状態を基準に損害を考えるべきこと、について口頭で陳述をしました。キャリアの原告の損害については藤井恭子弁護士、慢性肝炎の原告の損害については川崎拓也弁護士、肝硬変・肝ガンの原告の損害については牧亮太弁護士が陳述しました。陳述は詳しく、具体的で、長い時間がかかりましたが、原告のおかれているさまざまな状況や心情や苦しみがよく伝わってくるもので、新顔の裁判長に聞いてもらうには最適だったのではないでしょうか。

国からは文書送付嘱託の申立というのがだされました。これは、第三者に対して「文書を送って下さい」と(文書の送付を)、裁判所を通じて頼んでほしい(裁判所に嘱託する)、と頼む申立です。今回は、国が、裁判所を通じて、原告らが現在までにかかった医療機関のカルテなど医療記録をすべて取り寄せて欲しいという内容の申立になっています。
これに対して、弁護団は、そんなものを取り寄せる必要はない、原告はすでに医療記録を必要な範囲で提出している、という意見書を提出しました。口頭では坂本団弁護士が説明をしました。

弁護団としては、法的な主張のやりとりはこのくらいにして、そろそろ証人調べや和解(話し合い)の手続きに進みたいと思っています。しかし、国が同じように考えているという保証はありません。そういった手続きを、今後どうすすめていくのかについて、次回2月25日に裁判官、弁護団、国があつまって協議をします。これは法廷ではなく会議室で行うので皆さんには傍聴していただきませんが、その結論は次回口頭弁論4月23日にご報告できると思います。

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