よくあるご質問
本訴訟の目的
なぜ裁判を起こすのでしょうか。
B型肝炎は、血液を介して感染しますが、感染経路はきわめて限られています。そして、B型肝炎ウィルスに感染している方々の中には、原因がわからない方がたくさんいて、偏見や差別に苦しめられてきた方も少なくありませんでした。私たちは、いろいろな状況から、国が乳幼児に強制的に受けさせていた集団予防接種が原因となっていると考え、平成元年に、国を相手に損害賠償を求める裁判を起こしました。裁判では、他に感染原因があるという国の主張が退けられ、最高裁判所で5人の原告全員に勝訴判決が下されました。
集団予防接種が原因でB型肝炎ウィルスに感染することが明らかになったことで、私たちは、全国に約120万人以上いるといわれるB型肝炎患者・ウィルス感染者について、救済策がとられることを期待しました。しかし、国は、原告にならなかったB型肝炎感染者については、責任を認めようとはせず、救済対策を採ろうとはしませんでした。
このような国の態度が許されるはずはありません。私たちは、肝炎患者が安心して治療を受けられる環境を整えさせるためには、全国的に訴訟を起こし、それぞれの裁判で再度国の責任を認めさせるしかないと考え、再び裁判を起こすことにしたのです。
この訴訟は、集団予防接種によるB型肝炎感染者の個別救済だけが目的なのですか。
いいえ、そうではありません。
訴訟を起こした人への賠償だけではなく、肝炎患者が安心して治療をうけられる環境を整えることで、感染者の方々全体の救済を目指しています。
かつて行われていた集団予防接種での連続注射使用によって、多数の感染者が発生したことは明らかであるにもかかわらず、国は、実効性ある救済策をとってきませんでした。
この訴訟では、国にB型肝炎感染の法的責任を認めさせ、B型肝炎を含むウィルス性肝炎に対する治療体制を確立し、患者が安心して生活できる社会とすることを目指しています。