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和解成立件数2024年7月4日現在

提訴/和解数の差について

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これまでの歩み

裁判報告

第52回口頭弁論

朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたが、今回もたくさんの方に傍聴に来ていただく中、2人の原告が意見陳述を行い、弁護団からも除斥について意見陳述を行いました。

最初に意見陳述を行った原告3909番さんは、まだ40代だった2人の兄弟を、相次いで肝臓がんで亡くされた経験や、自らもB型肝炎ウイルスに冒され、家族に対する感染の危険を常に意識しながら生活していることを話されました。
また、原告3909番さんは、自分がB型肝炎ウイルスのキャリアであることを、職場や友人に知られることをとても恐れており、周囲の差別・偏見のまなざしは、現在に至ってもなお、患者の皆さんを苦しめているという現実を知らされました。

次に意見陳述を行った、原告4241番さんは、平成3年に夫を肝臓がんで亡くされた遺族で、夫の病気の発覚から闘病の経過、肝がんで死に至るまでの苦しみなどを語られました。
夫の肝炎が重篤な状態となり、4241番さんが、幼い子どもたちを道連れに死のうとするまで思い詰めたときの苦しみや、肝がんの闘病での夫の苦しみ、43歳の若さで夫を亡くした遺族の苦しみなど、涙なくしては聞けない貴重なお話を聞かせていただきました。
また、4241番さんの夫は、平成3年に死亡したため、国は、死亡から20年以上経過してから裁判を起こしていることを理由に、給付金の金額を4分の1に減額する主張をしており、この点の不条理についても強く訴えられました。

次に弁護団からは、玉田弁護士と矢吹弁護士より、慢性肝炎を発症してから20年以上経過してから裁判を起こした原告は給付金が減額される問題について、弁護団から準備書面を提出したため、その内容について意見陳述を行いました。具体的には、慢性肝炎を発症したあと、更に肝炎を再発した原告については、再発時から20年以上経過しているかを起算するべきであるという、弁護団の主張を述べました。

弁論期日終了後、弁護士会館に移動し、期日報告集会を行いました。
集会には、和解された原告を含め、初めて傍聴に来て下さった原告の皆さんもたくさん参加していただき、前回の弁論期日以降に行われた様々なイベントについて報告や、恒例の原告交流会も行いました。
報告集会のあとには、近くのお店で懇親会も行い、こちらも大いに盛り上がりました。

第51回口頭弁論

今回の期日も沢山の方が傍聴された中、原告の意見陳述と弁護団意見陳述が行われました。

原告3620番さんは、研究機関で研究者をされている47歳男性です。感染の発覚は、6歳の頃に小児喘息でアレルギー検査を受けたことで判明したものでした。その後の検査でお母様が一次感染者でありご本人が二次感染者であることが明らかになりました。原告3620番さんは裁判の中で、「母は、国による集団予防接種で感染をしてしまったので何も悪いことをしていないのに、私に対し申し訳ないと言ってきてくれることが悔しい。」こと、肝硬変になり医師の指示でラミブジン(ゼフィックス)を服用し始めたが耐性ウィルスが出現し当時日本では認可されていなかったアデフォビル(へプセラ)を輸入して取寄せ服用していたこと、薬剤の併用により治療費の負担が大きかったこと、2015年8月の天津の爆発事故で当時服用していたテノホビルが入手困難になり、薬に頼って生きることのもろさを痛感したこと、家族を支えなければならない自分に病気の心配があり将来への不安が付きまとうこと、研究者として研究開発の進展で救える命があると信じB型肝炎ウィルスに対する薬剤の開発に期待しており国の政策に期待していることを訴えられました。

原告4271番さんは、自動車整備士をされている44歳の男性です。中学生の時に病院で検査をして感染が発覚したとのことでした。病態は肝生検により慢性肝炎と診断されています。原告4271番さんは裁判の中で、差別偏見に関する経験を踏まえてB型肝炎について自分自身で調べるようになったこと、自分自身が嫌なおもいをすることがあっても自分と同じ病気で苦しむ人を増やしてはいけないとのおもいから、自分がウィルスを持っていることをオープンにしていくという生き方をしていること、肝炎患者全体が自分の体験を躊躇なく語れるようになり不当な偏見差別がなくなってほしいこと、みんなで上を向いて明るく生きていきたいこと、B型肝炎ウィルスの創薬の進展に期待していることを訴えられました。

弁護団意見陳述では長野真一郎弁護士が、提訴者数と和解者数の均衡がとれていないことから訴訟資料のチェック体制に関する更なる対策が必要であること、除斥問題(肝硬変及び慢性肝炎)に関する進行に関する意見を述べました。

裁判の後、大阪弁護士会館に会場を移して期日報告集会が開催されました。初めて参加された方も多く、大いに盛り上がりました。報告集会では、まず期日で意見陳述いただいたお二人よりの感想、各担当弁護士の感想、ついで原告の江口さんより恒例のDVD上映がありました。その後、ニュース映像上映、広報に関する報告、7月に行われた大臣協議の報告、恒久対策委員会、教育啓発班からの報告、なの花の会からの報告、病態ごとに分かれての交流会、原告団総会がありました。
その後、開かれた懇親会も、大いに盛り上がりました。

第50回口頭弁論

暑くなってきたこの日の裁判期日も傍聴席が満員となり、多くの方に傍聴していただきました。裁判期日では、69名の方々の和解が成立しました。

裁判期日では、原告の意見陳述と弁護団意見陳述を行いました。

今回の原告は、1名はご子息を亡くされた方で、1名は慢性肝炎の方でした。
原告3954さんは、ご子息が受けられた壮絶な治療と現在も続く家族の苦しみを訴えられた上で、ご子息が闘病中も治療費について大いに心配されていたことから、せめて現在治療中の患者が安心して医療を受けられるよう、肝硬変・肝がん患者の医療費助成制度を早期に実現することを求められました。
原告4157番さんは、出産時に経験された病院での辛い体験や、慢性肝炎が仕事に与えた影響を訴えられた上で、現在処方されているバラクルードをこの先何十年も服薬しなければならないことによる大きな経済的負担から、特に核酸アナログ製剤の無償化を求められました。

続いて、弁護団の小林徹也弁護士と、河野雄介弁護士が、弁論を行いました。
この弁論は、国から除斥を指摘されている原告1765番さんについて、今回の裁判期日に弁護団から提出した書面の要旨を口頭で説明するものでした。なお、除斥とは、発症から20年が経過しているという理由だけで給付金の金額が大幅に減額されるというものです。
具体的には、小林弁護士が、国が肝硬変(軽度)を前提としていることについて、1765番さんは肝硬変(重度)であると弁論しました。その上で、河野弁護士が、除斥について、重度の肝性脳症となり脾臓摘出手術まで必要となった事実を踏まえ、脾臓摘出手術時点を除斥の起算点とすべきであると弁論しました。

裁判期日の後、大阪弁護士会に移動して、期日報告集会を行いました。
期日報告集会では、まず、意見陳述をしてくださった原告お二人から感想を述べていただき、また、除斥を指摘された原告お一人から感想を述べていただきました。
次に、前回の裁判期日から今回の裁判期日までの間の活動についての映像報告や、7月3日に行われたB型肝炎訴訟原告団と厚労大臣との大臣協議の報告などを行いました。
そして、最後に、恒例の原告交流会を行いました。尽きることのない話の中で、盛り上がった原告交流会の時間はあっという間に過ぎました。

第49回口頭弁論

今回の期日でも、原告の意見陳述と弁護団意見陳述が行われました。今回の原告は2名とも除斥により十分な補償が受けられない方々でした。

原告1817さんは、社会人として働き始めてすぐに肝炎が発症し、即入院となって会社も退職せざるを得ませんでした。また、楽しんでした副業のテレビ番組のアシスタントの仕事も諦めざるを得なかったとのことです。結局、2度もインターフェロン治療を受け、厳しい副作用にも耐えて、慢性肝炎は落ち着いたとのことですが、その期間中、とても苦労をされました。現在も、体調に気を付けながら、心の病気のある方の相談を受ける相談支援専門員として働いているとのことです。ところが、このインターフェロンの苦しみから20年経っているため、除斥により補償が大きく減額されるとことについて、その理不尽さに、怒りと哀しみを感じていることを裁判所に訴えました。

原告番号3971番さんは、大学受験の時に肝炎を発症したため大学進学は諦め、公務員として仕事をしながら夜間の大学に通いました。その後も今に至るまでの42年間、血液検査を最低でも年4回以上受け続け、数え切れないほどの点滴と注射を受けてきましたが、発症から20年以上経過しているため、除斥によって、充分な補償が受けられないとのことです。長く苦しみを背負ったことが原因で十分な補償が受けられない理不尽さを、裁判所に訴えました。

弁護団意見陳述では長野真一郎弁護士が、肝硬変除斥原告については7月の期日に準備書面を提出すること、慢性肝炎除斥原告についても準備書面を準備中であることを陳述しました。また、本年1月期日の和解者数は32名、3月は51名、5月は54名の合計137名のところ、提訴被害者数合計は232名であり、和解者数は6割程度に過ぎず、このままでは未和解の原告が増え続けることになるので、被告に更なる対策を求めました。

裁判の後、大阪弁護士会に会場を移して期日報告集会が開催され、期日で意見陳述いただいたお二人と各担当弁護士から陳述を終えての感想を述べて頂きました。その後、4月26日に開いたオール肝炎サポート集会の様子や、3月にあったB型肝炎の創薬事業に関する公開報告会を受けて創薬事業の到達点の報告などがありました。最後は、参加者がいくつかのグループに分かれ、弁護士を交えて交流しました。
その後、場所を移して開かれた懇親会も、大いに盛り上がりました。

第48回口頭弁論

今回の期日も沢山の方が傍聴された中、原告の意見陳述と弁護団意見陳述が行われました。

原告3672番さんは、中学生の頃から既に倦怠感があり、祖父から続く伝統的産業の仕事を継げなかったこと、B型肝炎ウイルスに感染判明時に結婚を予定していたパートナーがおり結婚するに際してパートナー及び義理の両親にB型肝炎の説明をすることに大きな精神的負担を抱えたこと、就職した電気メーカーでは体力面から花形部門につけなかったこと、70歳をこえ病状も落ち着いてきたと安心していた矢先に肝癌の発症を告げられ辛い治療を強いられたことから、二度とこのような被害が生まれないようにと訴えられました。

原告3874番さんは昭和56年に感染が判明し、当時は就職先の刑務所でも感染している収容者が差別的な扱いを受けていることを目の当たりにし自身がキャリアであることを言えなかったこと、キャリア自体の治療を目指したが叶わなかったこと、発症してからは適切な治療にたどり着くまで生命の危機すらあったことから、正しい知識の普及と治療に対する積極的な支援を訴えられました。

弁護団意見陳述では長野真一郎弁護士が、前回1月期日から和解者数が激減していることを問題提起し、これについて国に対しては早期和解実現に向けた対策を、裁判所には重大な関心をもっての対応を求めました。因みに前回1月期日の和解者数は32名、今回は51名であり、これは近年の平均和解者数の1/2以下とのことです。また、除斥問題については、引き続き国に再検討を求め、仮に進展しない場合は裁判所の和解所見を含め、国の対応、裁判所の訴訟指揮を求めていくことを陳述しました。

裁判の後、AP大阪淀屋橋に会場を移して期日報告集会が開催され、まず原告の江口さんより恒例のDVD上映がありました。次いで期日で意見陳述いただいたお二人よりの感想、各担当弁護士の感想、ニュース映像上映、基本合意5周年記念集会の報告、恒久対策委員会、なの花の会からの報告、病態ごとに分かれての交流会、原告団総会がありました。
その後、開かれた懇親会も、大いに盛り上がりました。

第47回口頭弁論

この日も、傍聴席が満員になるほど、多数の方に参加いただきました。
法廷では、まず原告の意見陳述がおこなわれました。
原告3561番さんは、ご自身が受けた偏見や差別についてお話しされ、正しい知識を普及させることの大切さを訴えてくださいました。原告3786番さんは、肝がんで亡くなったご主人の思い出や緩和ケアの苦しみ、家族の思いについて、言葉につまりながらも気丈に陳述されました。

続いて、弁護団代表の長野真一郎弁護士が、弁護団意見陳述を行いました。
長野弁護士からは、審理期間が長引き、提訴してからも長期間救済を受けられない患者が多く存在することを指摘した上で、①B型肝炎訴訟に対応する国の職員の増員、②各地の審査体制と中央の審査体制の間における合理化、③和解の内容・結論とはほとんど無関係な資料の追加要求をやめるなどの効率化、といった大幅な改善対策をとるべきであるとの意見が陳述されました。
なお、この日の和解者数は、直近の裁判期日の中ではきわめて少ない、32名にとどまりました。

裁判の後は、大阪弁護士会館に移動して、期日報告集会を行いました。
集会では、意見陳述をしてくださった原告さんから感想を述べていただいたほか、この間の活動についての映像報告や、基本合意5周年記念集会の報告がおこなわれました。
また、恒例の原告交流会もおこないました。
初めて参加してくださった方もおられて、数十分の交流時間があっという間に過ぎてしまう、たいへん盛り上がった交流会となりました。

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