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和解成立件数2024年7月4日現在

提訴/和解数の差について

全国
  • 提訴数:36222
  • 和解数:33677
大阪
  • 提訴数:5920
  • 和解数:5651

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これまでの歩み

裁判報告

第17回口頭弁論

大阪原告団から新たに10名の和解が成立しました。

原告から原告44番、原告245番が意見陳述をされました。
原告44番は、アルバイト先や通学していた専門学校の教授らから偏見差別を受けた経験などから、自分がB型肝炎患者であることを誰にも打ち明けられずに辛い思いをした経験を述べられました。また、病気が進行した場合の恐怖心や治療費等の不安も大きいこと、B型肝炎患者であるがゆえに例えば結婚・出産・子育てなどという日常的な夢まで犠牲にされてしまうのではないかという不安もあることなどを述べられました。
原告245番は、慢性肝炎を発症して入院等を繰り返すうちに順調だった仕事を退職せざるを得なくなったこと、核酸アナログ製剤の服用によって子供を諦めなくてはならなくなったことや経済的負担が重く感じること、自分の病気のために妻を不幸にしているのではないかと悩むことが多くあることなど国は患者だけではなく家族も巻き込んでいるということを重く受け止めてほしいという思いを述べられました。

弁護団からは、まず、本年10月までに資料提出をした原告らのうち国から1カ月以内に何らかの回答がされた原告が皆無であったことなど国による和解進行状況の遅れを指摘し、国は人員を増員して手続きを迅速に進めるべきことを求めました。また、国による不当な追加資料の要求が許されるべきではないとの意見も述べました。さらに、B型肝炎に対する社会の理解がすすむことで差別偏見の解消につながることなどから、国が新聞やテレビニュースでの広報活動や病院や地方自治体を通じてのポスターや配布物などの広報活動を実現すべきことを求めました。

第16回口頭弁論

基本合意に基づき、5名の和解が成立しました。大阪原告団から初めての和解成立例となりました。

原告からは、原告167番が意見陳述されました。
原告167番は、肝硬変を発症して長く務めた会社を退職しなければならなくなったこと、職場では身体の倦怠感などの苦しさを理解してもらえず怠けていると誤解を招いたこと、自分が働けないことに対する大きなストレス、いつ増悪するかという恐怖心が絶えないことなどの被害を述べられました。また、近時ようやく新聞報道等で国の責任が明確になってきたため自分がB型肝炎患者であることを周囲に言えるようになってきたこと、もし訴訟のことを知らなければ自分はこの先ずっと何の補償を受けることもなく治療等を受け続けていたであろうことなどから、国によって救済システムを周知されることや差別や偏見をなくすためにも積極的な広報活動が行ってほしいことなどを述べられました。

弁護団からは、和解成立を待つ多くの原告や特に肝硬変や肝がんなど重篤な病態を抱える患者のためにも早期に和解を成立させる必要性があり、そのために国はカルテなど原告から提出された資料の検討体制を大幅に拡充し、不要・不当な追加資料の提出を求めることなく、原告から提出された資料について1カ月以内にこれを検討した上で回答をすべきことを求めました。

第15回口頭弁論

平成23年6月28日の基本合意を受けて、原告からは、原告大阪原告団 共同代表 小池真紀子氏と、大阪原告団 共同代表 久永信行氏が、意見陳述をしました。
小池氏は、2人の子らに二次感染をさせてしまったことなど杜撰な厚生行政により親子の人生を変えてしまった被害の深刻さを述べられ、国は基本合意を締結した責任として2度と同じ被害が起きないようにし、必ず被害者全員を救済すべきとあらためて訴えられました。
久永氏は、肝硬変からくる食道静脈瘤の影響で余命宣告を受けた際に大きな精神的ショックを受けたことや家族の支えで辛い症状を乗り越えてきたこと、母親から生体肝移植を受けて現在も免疫抑制剤による副作用と闘いながら生活をしていること、職場で受けた差別のことなど様々な被害体験を述べられました。また、基本合意の総理謝罪の席で総理に対して根治する薬を作ってくださいと自らお願いをしたところ、そうするべく厚生労働大臣に指示しますと総理から述べられたことにも触れて、その実現を切に願う旨も述べられました。

弁護団からは、基本合意の意義として、①国が予防接種被害による法的責任を認めて正式に謝罪したこと、②慢性肝炎の発症者除斥の問題をはじめとして完全に十分なものとはいえないものの、基本合意により未提訴の被害者も含めて全ての被害者の救済の基本的枠組み=司法的救済システム=が確立したこと、③国が肝炎患者等が不当な偏見差別を受けることなく安心して暮らせるように啓発広報に努めること、肝炎ウイルス検査の一層の推進、肝炎医療の提供の整備、肝炎医療に係る研究の推進、医療費助成など必要な施策(恒久対策)を約束し、そのために本原告団・弁護団との間で継続的な協議を行うとしたなどの点にあることを確認しました。また、今後は国の推計で45万人ともいわれる多数の被害者が基本合意に基づき提訴することが必至であるため、原告被害者全員が早期に救済を受けることができるように、国はカルテの検討を含む体制作りを行い、原告らが提出不可能な資料を要求することなく、迅速に和解手続きを進めるべきであることなどの意見を述べました。

第14回口頭弁論

原告から原告125番と原告120番が意見陳述されました。
原告125番は、気持ちを奮い立たせては失望する、の繰り返しで疲れ切ってしまうB型肝炎患者の長期間にわたる闘病生活を詳らかにしてくださり、そうしたことが本人自身の生き方はもとより、子や妻の生き方にどれほど影響を与えるか、また、母親に苦しみを与えることを恐れB型肝炎であると告げられない子どもとしての想いを訴えられ、裁判で救済されるのは証拠がある被害者に過ぎず、裁判で救済されない被害者のために差別偏見を撤廃するための施策を求められました。

原告120番は、10年ほど前からB型肝炎の治療により、仕事に差し支えがでるようになり、バラクルードを飲むようになるものの肝癌を発症、再発を繰り返していること、B型肝炎に対する無知から、その病気を深く考えることなく、単純に母子感染であると思い込んでいたこと、今では全く仕事等できない状態となり、家族を養うどころか精神的肉体的に大変迷惑を掛けてしまっているとして、心苦しさを訴えられました。

弁護団からは、平成23年5月12日、全国原告団と被告国の双方が札幌地裁の2次所見を含む和解所見(基本合意書案)全体を受諾することが確認されたことを報告すると共に、国に対し今後の和解手続きにおいて被害の救済は待ったなしの状態であることから迅速な個別認定手続きの履行と不可能な立証を要求しないよう求め、裁判所に対しても特別の訴訟指揮を要請した。

●H23年5月27日進行協議にて
今後の進行について、原告からの資料提出を受け、国側は1ヶ月以内に書証、カルテを検討した上で(1)和解に応じるか(2)追加資料や釈明を求めるか否かの回答を行うこと、更に、原告から追加資料の提出があれば、国としては1ヶ月以内に同様の回答を行う旨の一連の手続きの流れが確認されました。

第13回口頭弁論

原告からは、原告137番、原告139番が意見陳述をされました。
原告137番は、夫を肝癌で平成21年に亡くされています。40歳の時から入退院を繰り返し、その後約7年にわたる肝癌治療を余儀なくされましたが、その間、インターフェロン治療による頭痛や震え、腰骨への癌転移に伴う苦痛など長年にわたる闘病生活による苦しみ等を詳細に語られ、何故こんな体になったのかといつも悔しそうにされていた夫の想いが伝わってくる陳述でした。

原告139番は40代半ばでB型肝炎である旨を知り、一生直らない病気であると告げられた衝撃、その後、肝癌を発症し、8時間にも渡る手術を受け想像を絶する苦しい思いをしながらも、再発の不安を抱えながら定期検査を受け続けなければならず、差別・偏見への不安から会社にB型肝炎であると告げることもままならない中、通院の度に会社を休まねばならない実情を訴えられました。

弁護団からは、国が「除斥」を理由として既に発症した被害者で、しかも20年以上苦しんでいる患者への救済を拒否する意向を変えないことについて強く非難をしました。国は、集団予防接種時の注射器の使い回しを40年間(昭和23年~同63年)も継続し、更に平成元年の先行訴訟提訴後も平成22年5月の和解勧告受け入れ表明まで20年以上裁判で法的責任を争い続けました。20年以上もの間、国から救済のみとを閉ざされてきた被害者に対して隠蔽放置してきた加害者である国が、今になって発症後20年経過していることを持ち出し責任を回避するのは明らかに正義・公平の理念に反します。慢性肝炎発症から20年を経過した被害者は、有効な治療もない時代において、病気に苦しみ、直るという希望のない不安な状態で、社会の無理解による差別・偏見を受けながら長期間苦しんできました。特に、母親の場合は、自らが被害者であるだけでなく我が子を感染させるという筆舌に尽くしがたい苦しみを受けながら加害者である国より救済を拒絶されてきたのです。ハンセン病国家賠償訴訟や薬害C型肝炎訴訟で除斥を問題にしない救済が実現されていることに照らしても、B型肝炎訴訟に関しても改めて国に対し発症後20年経過者を含むすべての被害者の早期救済の態度決定を行うよう強く要求しました。

ちなみに、原告団については、とりわけキャリア原告について不十分な内容ですが、既に発症している被害者の早期解決のため、苦渋の決断で札幌地裁所見を受け入れることにしたことが弁護団より報告されました。

第12回口頭弁論

原告から原告69番、原告92番が意見陳述をされました。
原告69番は、それまで何の苦もなく働けていたにも拘わらず慢性肝炎発症により仕事を辞めざるを得なくなったこと、体力をあまり使えない体であることから学習塾を始めるも差別偏見を受け、交際相手からもB型肝炎を理由に結婚を拒否されるなど、B型肝炎によって如何に人生が狂わされていくのか、当事者としての苦しみを訴えられました。
原告92番は、徳島肝炎友の会の発足以来、長年患者会に関わってきたこと、キャリアであってもB型肝炎患者が就職や結婚などの場面で差別を受け、人間としての尊厳を傷つけられているかを訴えられました。

弁護団からは、1月11日の札幌地裁の和解協議で裁判所が和解による解決のための所見を示したことから、原告団として、本所見についてできるだけ早期に意見集約を図る予定であること、ただし、原告らの要求は賠償金の支払いという個別救済のみに留まるものではなく、責任を明確にした上での正式且つ真摯な謝罪、差別偏見をなくすための施策の実施、真相究明と再発防止策、恒久対策の拡充にあることを改めて訴えました。

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