第102回口頭弁論
今回の口頭弁論期日では、慢性肝炎患者である原告5480番さんが意見陳述を行いました。
原告5480番さんは、会社員として働いていた頃に、健康診断で肝臓の数値の異常を指摘され、慢性肝炎を発症していることが分かりました。意見陳述の中で、発症したときはB型肝炎という病気の知識もなく、感染原因も分からないまま、急な入院を余儀なくされたこと、職場の人たちに助けられながら治療を続けたことを振り返られました。また、長年にわたって感染原因が分からないままだったため、自分が病気になった原因をはっきりさせたいという気持ちから、B型肝炎訴訟に参加したとお話をされました。社会人として日々の生活を過ごしていた人が、何の前触れもなく感染症を発症し、完治できないまま治療を続けざるを得ないことに対するつらさや理不尽さが伝わってきました。
今回の期日では、国との間で「基本合意その3」が成立した後、大阪地方裁判所では初めて、慢性肝炎を発症してから20年以上経過している原告について、満額で和解が成立しました。
期日の後の報告集会では、弁護団から「基本合意その3」の内容と、今後は慢性肝炎を発症してから20年以上経過してから提訴した方についても、基本合意の内容に沿って救済を進めていくことについて説明がされました。
報告集会後の交流会では、意見陳述を行った原告5480番さんも含め、多数の原告の皆さんが交流を行い、笑顔で歓談をしておられたのが印象的でした。
第101回口頭弁論
今回の裁判期日では、原告5509番さんが意見陳述をしました。
原告5509番さんは、慢性肝炎治療で入退院を短期間に何度も繰り返した末、約30年前に肝がんを発症しました。職場の理解はありながらも、ご自身は会社に迷惑をかけてばかりいると、肝がんの手術を機に、勤めていた会社を退職するという選択をしました。B型肝炎という病に悩まされながらも、海外にも赴任し、充実した会社員生活だったそうです。
B型肝炎の集団訴訟については報道で知っていましたが、ご自身についてB型肝炎が発覚した当時は、集団予防接種における注射器・注射針の連続使用とは言われていませんでした。医師からも母子感染か輸血が原因と言われていたことが頭に残り、ご自身は輸血をした経験がなかったので、母子感染が原因かもしれないと思っていたそうです。ですので、母親を悲しませたくないと、母親への血液検査の依頼を躊躇し、なかなか提訴に踏み切れませんでした。提訴には看護師をしていた姉の支援が後押しになったのでした。
原告5509番さんは最後に、提訴に踏み切れない事情は人によって様々だと訴え、ご自身は幸いにも肝がんの再発はないため除斥期間(20年間という法律で定められた期間内に行使しないとその権利が消滅するという令和2年改正前の民法の規定)の適用を受け入れるが、特に再発のある方の場合には被害者救済の観点から、柔軟に判断することを国に求めました。
原告5509番さんは期日後の報告集会にも参加され、ほっとした表情で他の原告の方とも交流を深められていました。
期日では、原告さんの意見陳述とは別に、弁護団が国との間で、本年1月15日に国との間で基本合意3を締結したことHBe抗原陰性慢性肝炎の再発事案について今後和解手続を進めていくことを報告しています。