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和解成立件数2024年7月4日現在

提訴/和解数の差について

全国
  • 提訴数:36222
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大阪
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これまでの歩み

裁判報告

第93回口頭弁論

今回は、原告5312番が意見陳述をしました。 同原告は、平成3年2月、B型肝炎発症が判明しました。直ちに入院し、約3ヶ月間インターフェロン治療を受けましたが、頭痛、高熱、倦怠感などの副作用に悩まされたにもかかわらず、治療の効果はありませんでした。大学卒業を目前にした時期だったため、大学の卒業式に出席できなかった上、内定していた就職先の入社式にも出られず、さらには就職を辞退することになりました。その後、建設会社に就職しましたが、B型肝炎感染者として差別・偏見を受け、5312番の人生はB型肝炎によって大きく変えられてしまいました。 原告5312番は、幸いなことに、現在、HBs抗原は陰転化しB型肝炎は寛解した状態にあります。ところが、それ故に、当初、国からは、HBVキャリアで慢性肝炎の病態にあるものとは認められないとされました。
今回の意見陳述に先立ち、当時B型肝炎治療に通院した病院のどこにもカルテは存在しないこと等を証明する資料を追加提出していました。それらを踏まえて期日後の進行協議で、国から慢性肝炎の病態での和解に応じるという回答がありました。
原告5312番は、これで両親を安心させられると言っておられました。
期日後の報告集会では、いつもの交流会にかえて、差別・偏見により必要のない隔離を強いられたハンセン病感染者の歴史とその運動を学びました。

第92回口頭弁論

7月12日に行われた裁判期日の報告をいたします。
当日は、午前中から雨模様でしたが、期日の始まる午後1時30分ころには止んでおりました。
この日は、原告1280番さんに意見陳述をしていただきました。1280番さんは、国家公務員で法務省にお勤めされていたことから、国を訴える裁判を自分がしてもよいものかという葛藤があったとのことでしたが、上司に相談したところ、「個人として判断すればいい。」と後押しされ、提訴に踏み切ったとのことでした。しかしながら、提訴したときには、最初の慢性肝炎発症から20年以上が経過しており、国からは除斥期間経過の指摘がなされております。1280番さんは、20年以上にわたって7回も入院しており、このように長く苦しんだ方が除斥期間経過との理由で賠償額に差がつけられるのは、不合理というほかありません。
弁護団意見陳述では、7月3日に最高裁大法廷で出された、旧優生保護法により強制不妊手術を受けた被害者に対しての国家賠償請求において除斥期間を適用しなかった判決をふまえ、長く苦しんだB型肝炎患者も同様に除斥期間を適用すべきではない旨をうったえました。
次回の裁判期日は、9月13日(金)午後1時30分からです。皆様の傍聴を心よりお待ちしております。

第90回口頭弁論

今回は、原告4862番が、子どもたちに母子感染をさせてしまった辛さについて、意見陳述をされました。子どもたちが小さい時は、他人に感染させてしまわないよう、絶えず気を配り、子どもたちが成長してからは、どうか発症しないようにと日々願う母親の気持ちをお話頂きました。キャリアから慢性肝炎への進展率について、「自分の体に関しては、『10%しかないから大丈夫だ』と思えるのに、子どものこととなると『10%もあるのか』と不安でたまりませんでした。」という発言は、ただひたすら子どもの健康を願う親の気持ちを大変よく表現していると思います。残念ながら子どもが発症してしまった後は、大好きなスイミングを辞めさせざるを得なかったことや、病院でのカルテの記載に傷ついたこと、そして、今も子どもたちの定期検査のたびに心配しては胸をなでおろすということを繰り返していることなどについても言及されました。
傍聴された患者さんの中には、ご自身や妻の体験に重ね合わせて聴いてくださった方もいらっしゃったようです。
期日後は、Webにもつないで、ハイブリッド形式で報告集会が行われました。この間の活動報告の他、支援してくださる学生の方々も交えて交流会でのお話も盛り上がりました。
新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症のため、以前のように傍聴席が満席になるにはまだ時間がかかるのかもしれません。ですが、新しく来られた方の中には、「同じ悩みをもつ患者さんと話をすることができたのが嬉しかった」と言ってくださる方もいらっしゃいます。裁判期日・報告集会の場が、原告団の皆さんにとって、お悩みやご不安を気軽に分かち合える場になるよう、考えていきたいと思います。

第89回口頭弁論

今年最初の裁判期日も、大阪地方裁判所の大法廷で、リアルで行われました。

今回は、裁判が始まる前に、読売テレビによる法廷内の撮影が実施されました。

裁判では、新規提訴者の訴状や答弁書の陳述といった作業を行った上、原告による意見陳述を実施しました。

意見陳述した原告4621番は、慢性肝炎が20年以上前に発症したとして除斥期間を経過しているとの指摘を受けている方でした。13歳〜14歳の頃にB型肝炎ウイルスのキャリアであることが判明し、16歳の5月に最初の肝炎を発症し、3度の入院とインターフェロン治療、そして、留年を経験しました。その後、遅れて社会人になり、結婚、第1子誕生を経たものの、31歳の頃、ALT(GPT)の数値が再び上昇し、3桁にまでなり、再度のインターフェロン治療をせざるを得ない状態となりました。それでもウイルスは消えず、再度ALT値が上昇に転じたことから、核酸アナログ製剤治療に切り替えました。それと引き換えに、2人目の子どもをあきらめる選択をさせられました。HBe抗原が陰性となり、「もう大丈夫」と言われたので、自分としても完治したと思っていた中での再発でした。また、B型肝炎が再発したことで親族との関係が悪くなり大変な苦労もされ、さらに、高校時代に励ましてくれた同じB型肝炎患者のKさんの死という情報に接したことで、死への恐怖と向き合い続けることになったことなど、13歳からずっと、自身の人生をB型肝炎治療に振り回されながら生きてきた人生について述べられました。そのうえで、除斥期間が経過したことで長く苦しんだ患者が救われないことの理不尽さ、その相手が国である場合の不公平さなどを訴えられました。

期日の後、会場を移して、Web参加もあるハイブリッド形式で報告集会が開催されました。報告集会では、この間の活動の報告や、除斥に関する裁判の状況報告などが、読売テレビの記者も同席の中で行われ、その後の交流会では参加者が和気藹々とした雰囲気の中で楽しく交流を行いました。

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