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手記集「いのちの叫び」

母親になってわかった母の苦悩

34歳・女性
大阪府在住/慢性肝炎※前ページの娘

母から私へ

 私の母は、集団予防接種のときの注射器の使い回しによりB型肝炎ウイルスに感染し、私はその母から母子感染しました。
 現在では、出生後の適切なワクチン投与により、母子感染はほぼ防止できるようになりましたが、これが広く行われるようになったのは昭和61年からで、それまでは母親がB型肝炎ウイルスの持続感染者の場合、出産時に子に感染させてしまうことが多くあり、私もその一人です。

母の発症

 平成16年夏、母から1本の電話がありました。肝機能数値が高かったので、すぐに入院し、インターフェロン治療を開始するとのことでした。私は、第1子の出産間近だったためすぐには動けず、入院1か月ほど経ってから初めて母の顔を見にいきました。活発で気丈な母は明るく振る舞って、私を安心させてくれました。
 しかし、出産後に里帰りをしたとき、変わり果てた母の姿を目にしました。一日中働き、活発だった母が毎日ソファーで横になっています。明るくおしゃべりだったのに、すぐ泣き、ネガティブな話ばかりするようになっていました。インターフェロン治療さえ終われば、苦痛から抜け出せると信じて頑張りましたが、母の悪夢は続きました。抗ウイルス剤の投薬治療には副作用がほとんどないと言われていましたが、母は違いました。強い偏頭痛とうつ病。2日に一度、泣きながら電話があり、私は励ましつつも母を苦しみから助けだすこともできず、無力感が残りました。

私の発症

 妊娠後、血液検査をしていないことに気付き、近くのクリニックに行くと、私自身も肝炎を発症していることを告げられました。母と同じインターフェロン治療と抗ウイルス剤の投薬治療を勧められましたが、インターフェロン治療は治療後3年以上、抗ウイルス剤の投薬治療では一生、子どもを作ることができないと告げられました。私はたくさん子どもが欲しかったので、月に1度の検査で様子をみることにしました。
 そして、平成19年1月、第2子を出産しました。妊娠中、医師から「肝臓の数値が上がるようなら、赤ちゃんはあきらめるからね」と言われ不安でしたが、母や夫の支えがあり、無事に元気な赤ちゃんを出産することができました。
 ただ、出産後に肝機能数値が悪化してしまい、医師から入院するようにと言われました。けれども、2歳半の子と生後1か月の子を家に残して入院はできません。入院は無理ですと医師に告げると、医師からは抗ウイルス剤も勧められました。しかし、子どもをあきらめないといけないことや、母が少ないといわれる副作用で苦しんでいるのを見ていたので、断りました。残るは、「強力ネオミノファーゲン」の投薬の治療です。医師からは根本的解決にならないと言われましたが、入院の必要がないこと、副作用がなくいつでも治療を止めることができると言われたことから、お願いしました。
 この治療は、2日に1回、病院での注射が必要です。歩いて20分程かかる病院に、首もすわってない赤ちゃんと2歳半の子を連れて1年間通いました。私の治療のために子どもたちが病院のロビーで風邪をもらって、苦しんでいる姿をみるのは本当につらかったです。医師からは、薬の副作用は少ないけれど授乳はやめてと言われました。これが母親として一番つらかったです。

母への思い

 私の治療中に、母から「ごめんね。私のせいで、あなたにこんな苦労をかけさせて」と謝られたことがあります。当時母は、まだ自分が集団予防接種により感染したということを知りませんでした。母は治療に苦しみ、自殺まで考え、そして子どもたちに罪悪感まで持っています。なぜ、母が私に謝らなければならないのでしょうか?母はなにか悪いことをしたのでしょうか?私も、母親になり、母の気持ちがよくわかるようになりました。子どもに同じ苦しみをさせるなんて、本当に悲しくつらいことだと思います。

子どもたちへの思い

 私は発症してから、子どもたちの寝顔を見ながら思います。私はこの子たちの成人した姿を見ることができるのだろうか?子どもたちの節目節目を一緒に過ごすことができるんだろうか?発症して10年で肝硬変、肝がんに移行していくとも言われています。この幸せの時間に制限があるのだと思うと、怖くて眠ることもできません。肝炎の患者は、病気のつらさはもちろんですが、それ以外にもつらいことがあることを、みなさんに知ってほしいです。大きなものは望んでいません。ただ、子どもたちの成長を見ながら、日々の生活を普通に暮らしたいだけなのです。

B型肝炎情報

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