B型肝炎訴訟の「基本合意」が成立しました
B型肝炎訴訟とは?
注射針を使い回したり、注射針を取り替えても筒を換えないまま回し打ちをしたりすると、肝炎がまん延することは戦前から知られていました。当時の厚生省はこの事実を十分に認識し、WHO(世界保健機関)からも勧告を受けていたにもかかわらず、昭和63年頃まで回し打ちを黙認し続けてきました。このようなウイルス感染の危険性のある集団予防接種を、法律によって全ての国民・住民に戦後40年間にわたって強制した結果、多数の被害者を生じさせたのです。
そして、それらの被害者が、国に対して損害賠償を求めて全国の裁判所に起こしたのが「全国B型肝炎訴訟」です。昭和63年までに集団予防接種を受けさせられた全ての国民・住民にHBV感染の危険があり、厚労省による推計でも、集団予防接種による感染被害者は、全国に45万人もいるとされています。
B型肝炎訴訟についての豆知識
平成元年、札幌地裁に5人の被害者が裁判を起こしたのが始まりでした。その裁判は17年間続き、平成18年6月16日、最高裁判所が、原告らがB型肝炎ウイルスに感染した原因は集団予防接種にあるとして、国の責任を認めました。それにもかかわらず、国は、全国にいる同じような被害者に対する救済を拒みました。そこで、「全国B型肝炎訴訟」が始まったのです。
この訴訟の目的
個別救済
集団予防接種でHBVに持続感染したキャリア・慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどの患者及びこれによって死亡した被害者の救済を図ること。
恒久対策
すべてのウイルス性肝炎患者が差別・偏見なく安心して治療を受け、生活ができる社会をつくること。