Q&A−B型肝炎についての正しい知識を持ってください
- B型肝炎は治る病気なの?
- 慢性肝炎になると、どんな症状がでるのですか?
- B型肝炎とC型肝炎の違いは?
- 空気感染はするのですか?
- B型肝炎ウイルスは家庭内または保育所、学校、介護施設などの集団生活の場で感染しますか?
- B型肝炎ウイルスの感染を避けるためには、どんなことに気をつけたらいいですか。
B型肝炎は治る病気なの?
B型肝炎ウイルスに持続感染しても、慢性肝炎・肝硬変・肝がんが発症しないままの人もいます(「無症候性キャリア」と呼ばれています)。
ただ、現在の医学では、B型肝炎ウイルスの活動を抑制する薬はありますが、ウイルスを完全に排除する薬はありません。そのため、B型肝炎ウイルスに感染すると、いつ、慢性肝炎や肝がんが発症するかわからない状況で生活していかなければならないのです。
慢性肝炎になると、どんな症状がでるのですか?
身体全体のけだるさ(全身倦怠感)に引き続き、食欲不振、悪心(おしん)、嘔吐などの症状がでることがあります。これらに引き続いて、黄疸(おうだん)がでることもあります。ただし、自覚症状を感じにくい人もあるので、注意が必要です。
また、けだるさ、食欲不振など、まわりの人からはわかりにくい症状であるため、症状を感じていてもまわりから理解されないことにより、さらなる苦しみを味わう患者さんもいます。患者さんに二重の苦しみを強いないように、まわりも気をつけましょう。
B型肝炎とC型肝炎の違いは?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
肝炎ウイルスに感染して、肝臓の細胞が壊れていく病気(ウイルス性肝炎)であることは同じですが、そのウイルスの種類が違うのです。
B型肝炎は、C型肝炎と比べて感染力が強いといわれていますが、成人後感染ではほとんどが一過性感染で終わり持続感染とならないという特徴があります。また、B型肝炎は、C型肝炎と比べて、無症候性キャリアの状態から慢性肝炎・肝硬変を経ずに肝がんを発症する危険性があるといわれています。
空気感染はするのですか?
空気感染はしません。くしゃみや、同じ蚊に刺されることでも感染しません。B型肝炎について正しく理解し、誤った理解によって肝炎の患者・感染者を差別的に取り扱うことのないようにしましょう。
B型肝炎ウイルスは家庭内または保育所、学校、介護施設などの集団生活の場で感染しますか?
職場や学校生活など日常生活の場で感染することはありません。高齢者施設でも基本的に同様と考えられます。
他方、家庭内や保育所等では血液などを介した濃厚な接触による感染の可能性が皆無ではありませんし、性行為での感染の可能性もあります。そのような場合でも、事前にワクチンを打つなどの感染防止方法があります。
また、2016年から全ての0才児を対象としたワクチンの定期接種が実施されています。
感染しない事例
- 肝炎ウイルスに感染している人と握手したり、抱き合った場合
- 肝炎ウイルスに感染している人と一緒に鍋物を食べたり、食器を共用した場合
- 肝炎ウイルスに感染している人と一緒にお風呂に入った場合など
B型肝炎ウイルスの感染を避けるためには、どんなことに気をつけたらいいですか。
感染防止のため、以下のことに気をつけましょう。
- ワクチンを接種する。
- 歯ブラシやカミソリ・ピアスなど血液が付く可能性のあるものは、個人専用とし、他人に貸さないよう、また借りないようにする。
- 血液や分泌物がついたものは、むきだしにならないようにしっかりくるんで捨てるか、流水でよく洗い流す。
- 性交渉の時はコンドームを利用する。
- 注射器や注射針は、絶対に共用させない。
※「B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスの感染経路と感染性に関して」
参考:肝炎ウイルス感染者の偏見や差別による被害防止への効果的な手法の確立に関する研究班(厚生労働科学研究成果データベース:https://mhlw-grants.niph.go.jp/)